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378話

「小、来たのね?」馬姉さんが太い声で言った。

「馬姉さん、こんにちは!彼女は僕のいとこで、一緒に来てもらいました」と私は言った。

「ああ、昨日見かけたわ、受付の子でしょ」と馬姉さん。「なかなか可愛い顔立ちしてるじゃない」

「ありがとうございます」梅子は恐縮した表情を浮かべた。

私たちのような貧乏人間がこんな豪邸に入ると、まるで劉ばあさんが大観園に迷い込んだような居心地の悪さを感じ、とても卑屈になる。

もちろん、私は見えないから、そんな気持ちを表に出す必要はない。

「ついてらっしゃい」と馬姉さんが言った。

そして、梅子が私の手を引き、馬姉さんの後ろについて歩いた。

二階に上がり、ある部屋に入った...