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354話

「こんなに偽善的な生き方でいいのだろうか?」

私は自分が欲望と自責の間で揺れ動いているような気がする。

ただ十一年間失ったものを取り戻したいという思いだけで、こんな生き方をしているのだろうか?

自分の心の状態が異常に思える。

今夜、私はまた一歩、堕落して地獄に近づいた。

「ごめん、梅子、心配かけて」

梅子は私をソファに座らせた。

「大柱、あなたには陳二狗さんという友達が一人しかいないんだもの、理解できるわ。でも飲み過ぎないで、帰りは気をつけてね。本当は道で待とうと思ったんだけど、叔母さんみたいな状況になるのが怖くて、家の中で待っていたの」

私は思わず梅子を抱きしめた。「大丈夫だよ、誰かが待って...