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313話

もういい、考えるのはやめよう!

陳二狗は私を連れてカラオケ店の前に来た。

前に行ったカラオケと比べると、このカラオケはかなり普通に見える。狭い入口と長い通路があるだけだ。

「二狗、ここは安いんだろ?」と私は尋ねた。

「安い?」陳二狗は少し笑った。「ここに来るのは単に歌を歌うためじゃないんだ」

「歌わないなら何するの?お酒?二狗、おばさんに今夜は酒を飲まないって約束したんだぞ」

「酒を飲めとは言ってない。飲むかどうかは好きにしろよ」

俺たち二人は中に入った。

肩の露出した旗袍を着た女性がカウンターから出迎えてきた。

「あら、陳社長いらっしゃい!ようこそ、ようこそ!」

この女性は三十代で、濃いメイ...