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3058話

中庭は少し小さめで、両側に脇部屋があり、正面に母屋、そして両側に小さな門がある。

「この家はなかなかいいね。ただ古いだけで、修理すれば人が住めるようになる。ただ交通が不便すぎるし、水道も電気も通ってないけどな」李大柱は独り言を言いながら、母屋へと歩いて行った。

母屋の軒下には額が掛けられており、漆は剥げていたものの、「仁義天下」という四文字ははっきりと見て取れた。

窓の桟に貼られた紙はすでにボロボロになっていた。李大柱が中を覗くと、大きな部屋が広がっていた。現代人の言い方をすれば、リビングルームというところだろう。

正面の壁には人物の肖像画が掛けられており、少しぼやけている。その下には...