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2994話

「あそこのクラブは金持ちしか入れないところだって知ってただけよ。彼が働き始めてすぐ、連れて行ってもらおうとしたんだけど、玄関で止められちゃって。おかげで彼は一ヶ月分の給料を没収されたわ。それ以来、クラブのことは一切口にしなくなったの」

「なぜ彼を巻き込んで私を恐喝したんだ?」

王猛は言った。「まず一つは、この件は一人じゃできなくて、手伝いが必要だったんです。彼とは深い付き合いがあって信頼できたから、彼に声をかけました。もう一つは、彼の父親が重病にかかって治療費が必要だったんです。だから彼も承諾したんです」

「お前たちはいくら分け合った?」

「私が七十万、彼が三十万です。私は五十万の借金...