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2876話

夏は日が長く、呂治国は気を長く持って七時過ぎまで待ってから、二人の部下と共に車から降りた。

マンション敷地内には涼を取る人が多く、近くには小さな広場があり、そこでは住民たちが「広場ダンス」を踊っていた。

呂治国たち三人は私服姿で住宅棟の一つに入った。

「302号室」の前で三人は立ち止まった。部屋の中からわずかな明かりが漏れている。

ドアにはチャイムが付いており、部下の一人がそれを押した。

数秒後、男の声が響いた。「どなた?」

「ここは賃貸ですか、それとも持ち家ですか?」部下の一人が尋ねた。

「賃貸です」中の人が答えた。

「派出所から来ました。賃貸物件の居住者確認のため、ドアを開...