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2870話

これで謎の人物の正体が明らかになった。

呂治国が確認すると、その人物は王濱という名前で、現在二十七歳、地元の人間だった。

免許証の写真を見ると、王濱は実に朴訥とした印象で、その狡猾な行動とは結びつきにくい姿だった。まさに人は見かけによらないものだ。

一刻の猶予もないと判断した彼は電話をかけ、部下を二人呼び寄せると、合流後すぐに王濱の家へと車を走らせた。

古びた団地で彼らは王濱の住まいを突き止めたが、本人は不在だった。近隣住民に尋ねると、王濱は「唯美」装飾会社で働いており、運転手をしているという情報が得られた。

「唯美装飾会社」という名前を耳にして、呂治国はどこか聞き覚えがあるように感じた。向か...