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287話

「だから、僕はそれを理解してるし、彼女の秘密を暴くつもりもないんだ。

彼女が彼氏を作ったのは婚約前のことで、叔父さんを救うために自分を犠牲にして、自分の愛情まで犠牲にした。そんな崇高な彼女に、僕も心が揺れてる。だからあの日、僕の家で梅子にお金を貸すって言った時、すぐに彼女を去らせようとしたんだ。彼女と彼氏を成就させたかったんだよ。

どうせ彼女の心は僕にないし、体も触れさせてくれない。僕にとって何の意味があるんだろう?でも彼女は不幸の中にも幸運があったと言える。もし僕じゃなく他の男に買われていたら、初夜で処女を奪われて、そのせいで自殺していたかもしれない!

彼女は自分のためじゃなく、愛のために身...