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2845話

吕治国は繰り返しこの映像を観察し、ようやくその中の変化に気づいた。

王書記が駅に向かう時、彼の両手は背中で組まれ、手のひらは開いていた。しかし戻って来た時、両手は体の横に自然に下げられていたが、右手は何かを握りしめているようにぎゅっと握られていた。どうやら駅の近くで何かを受け取ったようだ。

このように推測すると、相手が監視していた理由も納得できる。確実に相手は、その物が書記の手に渡ることを確認したかったのだ。そして、その後の二人の電話は、おそらく相手がその物について書記と話していたのだろう。

職業的な勘から、吕治国は推測した。その物は王書記にとって重大な関係があるものであり、明らかに事の全体か...