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2723話

猫目から見えた外の人物は李大柱だった。香蘭の鼓動は一瞬速くなった。先ほど二香から電話があり、李大柱が病院に王さんを見舞いに来たと聞いていた。自分と王さんの関係も彼は知ったはずだ。彼はどう思っているのだろう?

ほんの数秒の躊躇の後、彼女はドアを開けた。

「香蘭!」男の顔には太陽のような笑顔が広がっていた。まさにこの笑顔こそが、香蘭が初めて彼に会った時に感じた温かさだった。

「来てくれたのね。どうぞ入って」

男は中に入ってきた。リビングには他に誰もいなかった。

「王さんに会ってきたよ」

「二香から聞いたわ。座って、お茶を入れるから」

李大柱は腰を下ろし、一本のタバコに火をつけた。

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