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2669話

趙娟は肥牛に頷いた。

「じゃあ、周忠は中にいるのか?」李大柱が尋ねた。

「中にいるわ」

李大柱は趙娟の腰に手を回し、正門を入った。彼が堂々と彼女を抱きながら娯楽城に入るのはこれが初めてだった。

趙娟の顔にも得意げな表情が浮かんでいた。今夜、彼女の男が彼女のために意地を見せてくれるのだ。

入り口の二人の警備員はその様子を見て、驚いた表情を浮かべた。

肥牛はあちら側にいる人たちに手招きし、すぐに十数人が近づいてきて、彼と一緒に中に入った。

二人の警備員は既にあちらに人々が立っているのに気づいていたが、何も動きがなかったので気にしていなかった。今、何か異常な気配を感じ取ったのか、一人が無線機を手に取...