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2514話

手がかりは方芳の古い白黒写真だけで、住所すらなかった。半日かけて尋ね回ったが、熱意はすぐに半減した。写真の女性を知る人もなく、李俊という名前を知る人も誰一人いなかった。

考えてみれば当然だろう。三十年も前の話だ。この県城はきっと様変わりしているはずだ。一枚の写真と一つの名前だけで人を探すなど、大海から針を拾うようなもので、簡単なはずがない。

その日の夜、二人はホテルに落ち着き、翌日も捜索を続けることにした。

夕食後、二人は街をぶらつき、いつの間にか夜市に辿り着いた。多くの人が露店を出していた。

珠珠は彼の手を引いて見物に行き、工芸品を一つ買った。譚軍は年配の露店主を見つけると、写真を取...