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218話

「この秦さんはお前たちの嫁を奪いに来たんだぞ、それなのにまだ菩薩だと思ってるのか?」

「聞いたか?」

「聞いたよ!」

「そういえば、彼女の名前は何だ?」

「秦怡っていうんだ」

「よし、よし、じいさん、急いで、準備しないと」

「ああ、そうだな!」

父と母は嬉々として部屋に入っていった。

しばらくして、梅子が出てきて、居間の入り口で母に止められた。

私は耳を澄ませた。

「梅子、おめでとう、お姉さんができたんだってね!」母が笑いながら言った。

「お母さん、大柱が話したの?」

「ええ、これはいいことじゃない?警察官のお姉さんができて、しかも都会の人だなんて、なんて素晴らしいことかしら!」

梅子は私の方...