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1933話

「俺が無能だから、彼女に苦労をかけてしまった」

「あなたは彼女を救うために自分の命を顧みなかった。彼女がこうするのは当然のことよ」

「あの犯人は?」

「逃げました。警察はもう立件しています」

「あの犯人は香蘭の元夫だけど、どうして彼は香蘭をあんな風に扱えるんだ?」

「人は理性を失うとああなるものさ。この前だって、奴は俺たちを焼き殺そうとガソリンをまいた。もし俺がガソリンの匂いに気づかなかったら、俺も香蘭も二香ももう焼け死んでいたよ」李大柱は思った。あの時、二香が自分の部屋に忍び込んできたおかげで、早く寝なかったんだ。

「まさか、そんなに鬼畜だったとは」

「今、香蘭が良い暮らしをし...