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1796話

寺の女性たちと会うと、彼はいつも心が安らぐ感覚を覚えた。まるで外海を彷徨っていた船が、ようやく自分の港に帰り着いたかのようだった。外でどれほど辛く疲れていても、彼女たちに会えば、彼の全身の緊張が解けていくのだ。

「真性!」男も声をかけ、前に出て彼女の手を取ろうとしたが、すぐに引っ込められてしまった。「こんなところでは…」彼女はもじもじと言った。

「もう昼近いのに、まだ寝てるのか?」

「特にすることもないから、こうするしかないわ」

「本当に大変だね」

「彼女の面倒を見るのは当然のことよ。日に日に良くなっていくのを見るだけで私は嬉しいの」

「すまない、会社が忙しくて、あまり付き添えなく...