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1744話

肥牛はまたドアベルを押した。

反応がない。

もう一度押してみた。

二分ほど経つと、ドアが少し開き、身なりの乱れた龍学風が現れた。「このデブ、何しに来やがった?」と言いかけて、腕組みをして横に立っている大虎に気づいた。

肥牛は笑いながら言った。「龍さん、お客さんですよ!」

大虎はそれを聞いて、目の前にいるのが龍学風だと理解した。この男の名前は耳にタコができるほど聞いていたが、実際に顔を合わせるのは初めてだった。あの見た目からして、やはろくな奴ではないと思った。

「誰が俺を探してる?」龍学風は外を覗き込んだが、他に人は見当たらなかった。

「俺だよ!」大虎は二歩前に出て、相手を睨みつけ、両手を固く握...