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1689話

部屋の灯りは基本的に消してあるものだ。暗闇の中で、あの一点の火だけがずっと灯っていた。赤く、暗く。祖母の煙管の火は明滅を繰り返していた。一服吸うと、火が明るく灯り、吸わないときは、その火は暗くなる。私は座り込んで、祖母のズボンの裾をまくり上げ、両手でさすり始めた。眠くて目がしょっちゅう閉じそうになるけれど、それでも半分眠りながらさすり続けて——」

如香はゆっくりと語っていたが、突然、男の鼾が聞こえてきた。いつの間にか、李大柱はすでに眠りについていた。

男の端正な顔を見つめながら、如香の心には無限の幸せが湧き上がってきた。彼女は身を寄せ、男の頬に軽くキスをすると、ベッドから降りて浴室へ向かっ...