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1545話

「でも、胸が苦しくて、刃物で切られるみたいなの」香蘭は涙目で言った。

「長く苦しむより、きっぱり別れた方がいいわ。あの人は浮気者なんだから、あなたが愛する価値なんてないのよ。まだ若いんだから、まずはお店の商売を軌道に乗せて、それから一途にあなたを愛してくれる男性を見つければいいじゃない。この世には三本足のカエルは見つけにくいけど、二本足の男なんていくらでもいるわ。ほら、私だって今は男なしでも元気に生きてるでしょ?」二香は男の腹を見抜き、思い切って二人の情の糸を断ち切る手助けをした。彼女はまだ男の言った「呉明貴との醜聞」という言葉に引っかかっていた。今や彼女も香蘭に自分と男との密通が知られるこ...