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1322話

木々の刺々しい香りと松脂の熟した油の香りが混ざり合い、自然の温かさを感じさせた。

二人で山頂へと登っていく途中、最初は呂治国が陳潔の手を引いていたが、いつの間にか彼女はその手を振り払っていた。

陳潔の影だけが林の間を楽しげに揺れ動き、湖のような青い色のスカートがちらちらと見える。彼女が通り過ぎた場所では花が咲き、一輪また一輪と鮮やかさを増していく。呂治国はその花の香りを辿るように追いかけ、巨石や大木、洞窟を過ぎながら山頂へと登っていった。

女は立ち止まっては歩き、景色を眺めながら、遠くで歌を歌っていた。風に運ばれてくる歌声は、この世のものとは思えないほどだった。彼女は一曲また一曲と歌い続...