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1285話

「あなた、ごめんなさい。私が悪かったの。あんなにわがままを言うべきじゃなかった」

男性の痛々しい表情を見て、萌萌の目から思わず涙がこぼれ落ちた。「あの時はすごく頭に来ていて、何も考えられなくなって、気がついたら彼に電話してたの。ただお酒が飲みたかっただけなのに、彼があんなに悪い人だなんて思わなかった」女性はそう言うと、男性の胸に顔をうずめて泣き出した。

「もういいよ。大事に至らなくて良かった。俺にも非があるよ。君が電話を切ったんだから、俺が探しに行くべきだった」

「そうよね。後からあなたに何度も電話したのよ。何回もかけたのに、出てくれなかったじゃない。私、心が乱れてて、だから自暴自棄にな...