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1235話

劉二は諦めきれなかった。寝室が施錠されていないなら、一度入ってみるべきだ。大抵の場合、寝室のドアは内側から鍵がかけられていて開かないものだし、たとえ開いたとしても中に誰かが寝ていれば、劉二は入る勇気などなかった。だが先ほどのいびきから察するに、どうやら女性の声らしい。この部屋の位置から考えて、中にいるのはさっき建物に入ってきた女だろう。

そこで劉二は静かに寝室のドアを押し開け、勇気を振り絞って忍び込んだ。

懐中電灯で照らしてみると、寝室はそれほど広くなく、ダブルベッドが部屋の半分近くを占めていた。不意に光がベッドの人影を照らし出す。確かに女性だった。

数歩近づいて注意深く見てみると、やは...