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1221話

「私はちゃんとできるけど、あなたが私に抱きついていたいって知ってるわ。そっちの方がずっと気持ちいいでしょう?」

「そんなことないわよ」女の言葉が終わるか終わらないかのうちに、男は顔を向け直すと女の唇を塞ぐように口づけた。

二人は草むらの中で抱き合い、お互いの体温で温め合っていると、しばらくして裏庭の扉が再び開いた。

真性が本当にまた現れた。相変わらず寝るときの格好をしたまま、頭は丸出しで頭巾も被っていなかった。

「あっ、本当に出てきたわ」真性は男の言葉が嘘ではないと確信した。

その真性は小道に沿ってまっすぐ前庭の方向へと歩いていった。

「何か変じゃない?」真智は小声で言った。

「どこが?」

「...