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1084話

「で、今はもう気持ちの整理がついたの?」

香蘭は頷いた。「過去のことは全部過去のこととして、これからは新しい生活を始めるわ」

「そうだ、君は新しい生活を送るべきだ。明日はもっと素晴らしい日になる」

「大柱お兄さん、本当に『ありがとう』って言いたいの。私たち赤の他人なのに、こんなにも助けてくれて」女性の瞳には優しい感情が滲んでいた。

「そんな他人行儀はよせよ。俺たちが出会えたのも何かの縁だ」

「縁を信じるの?」

「信じるさ、もちろん。一目惚れだって信じてる」男は思わず急いで言った。

女性はクスリと笑った。「なんだか、あなたと二香さんこそ一目惚れだったんじゃないかしら?」

「い、いや、彼女にはそう...