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1019話

炭鉱での労働は相当に辛く、危険でもあるが、給料はそれなりに良かった。しかし、劉二はそんな苦労に耐えられず、死ぬのも怖かった。

以前は家の数畝の土地を他人に請け負わせ、普段はその小さな地代で生活していたが、今や借り手がいなくなり、彼自身もその土地の世話をする気になれなかった。

「衣食足りて栄辱を知る、飢寒窮すれば盗心を生ず」というように、劉二は悪だくみを始めた。

この劉二は取り柄がなく、全身どこを見ても長所が見当たらないが、一つだけ他人より優れていることがあった。それは鍵開けだ。

これは彼の父親から受け継いだ技術だった。

彼の父は遠近に知られた錠前師で、鍵の製作も解錠の技術も一流だった。電子錠な...