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884話

鐘越は地区に到着する前に、まず地区委員会の秘書長である羅偉に電話をかけた。羅偉と鐘越は共に省委員会から派遣された幹部で、鐘越は団委員会に、羅偉は組織部に所属していた。二人は同年代で、大学卒業後、同時期に省委員会での仕事を始めた。当時、羅偉は鐘越の美貌と才能に惹かれ、しばらく彼女を追いかけていたこともあった。しかし鐘越は行政幹部とは付き合うつもりがなく、彼にチャンスを与えなかった。

恋愛は成就しなかったものの、二人はかなり良好な友人関係を築いていた。後に同じ地区に派遣されると、以前よりさらに関係が深まった。友人という関係に加え、同じ門下、同じ派閥という味わいも加わったのだ。政界の人間は何より関...