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672話

「こんな鬼のような場所に住んでいると、一日たりとも気分が良くなることはないよ。笑われても構わないが、私は同じ部屋の夫とのことにさえ興味が湧かないんだ。姑が隣の部屋にいて、木の板一枚隔てただけで、夜になるといつも咳をしている。あの行為をするとき、声を出す勇気もない。毎回、思う存分楽しめないんだよ」

「私もそうよ。うちの状況もあなたの家と似たようなものね。というか、うちの方がもっとひどいかも。一つの部屋が三つに仕切られていて、左側には舅、右側には高校生の義妹がいるの。夜なんて全くできないわ。先日、昼間にちゃんと一度しようって相談したの。午前10時過ぎに、じいさんが散歩に出かけたから、私たちはドア...