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656話

彼が昇進したら、自分も一緒に出世できるというわけだ。

自分の事務室に戻ると、彼は早速明日の視察の段取りを始め、普段から自分と親しい幹部を数人視察チームのメンバーとして選び、それから財務部へ行って経費を受け取った。

午前中、陳春娥は譚祥華の事務室に忍び込み、外に誰もいないことを確認すると、艶やかな唇を尖らせて譚祥華の頬にトンボが水面に触れるような軽いキスをした。花定国は大いに驚いた。「やめてくれ、ここではマズイぞ。目と耳が多すぎる、慎重にしないと。花定国に見られたら大変なことになる!」

陳春娥は軽蔑したように言った。「あの人?今頃まだ布団の中よ。たった二回戦しただけで、朝も起きられないほど疲...