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607話

「発覚したら、二人とも同時に崩れ落ちることになる。結果はあまりにも深刻だ。個人的にも良くないし、仕事にもキャリアにも非常に悪影響を及ぼす」

十分ほどの間、二人はそれぞれ自分の思いに沈み、言葉を交わさなかった。先に口を開いたのは張明だった。

「鐘姉さん、どうして黙っているの?誰かのこと考えてるの?」

鐘越は我に返り、言った。「ええ、一人の人のことを考えていたわ」

「誰のこと?義兄さん?」

「あなたが言う義兄って、私の夫のこと?もう彼の話はやめて。私のことは姉さんって呼んでくれればいいわ、彼のことは義兄なんて呼ばないで。私たち、もうすぐ別々の道を歩むことになるから」

張明は心配そうに尋...