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1005話

しばらくして、ノックの音が響いた。陳江容がドアを開けると、そこに立っていたのは、なんと程学起本人だった。

「退勤時間だし、手の空いている部下もいなくてね。自分で来るしかなかったよ」と程学起は言った。

陳江容も程学起に会いたくないわけではなかったが、周囲の目を気にしていたのだ。しかし今、程学起が公務で訪れた以上、追い返すわけにもいかない。「こっちに来て」と彼女は言った。

二人は戸籍資料室に入り、陳江容はすぐに程学起が必要としていた書類を見つけ出した。

程学起は戸籍簿を受け取りながら、陳江容を見つめ、感慨深げに言った。「こんなに年月が経ったのに、君は少しも変わらないね。相変わらず美しい。た...