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779話

考えるまでもなく、ウィリアムが彼女に用意している仕事の内容は明らかだった。彼女は夫をアメリカに連れてくることなど到底説得できるはずもなく、それは自分の良心を売り渡すことに他ならなかった。

ある意味では、姜陽はパーティーで無茶なことをすることを嫌悪していなかった。むしろ興奮や刺激さえ感じていた。だが、自分の家族を捨てることなどできるはずがなかった。

自分がどれほど変わろうとも、家族への愛、夫と息子への愛は変わることはない。

彼女は興奮して説得しようとする徐社長を見ることなく、視線をウィリアムに向け、真剣な表情で言った。「ウィリアム様のご好意、本当にありがとうございます。心から感謝しています...