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656話

江耀は蕭雨婷を家まで送り届けたが、着いてみると玄関のドアが開いたままで、中は明るく照らされていた。

ソファには端正な顔立ちの青年が座り、電話をしながら落ち着いた表情で談笑していた。

江耀は一目で彼が蕭雨婷の夫、江山だと分かった。

以前、妻と一緒に蕭雨婷の結婚式に出席したことがあり、年に何度か顔を合わせる間柄だった。特に親しく話したことはなかったが、お互い顔見知りではあった。

江耀は蕭雨婷を支えながらリビングに入ったが、内心では江山に誤解されないかと心配で、説明の言葉を考えていた。

ちょうど電話を切り終えた江山は、蕭雨婷を支える江耀の姿を見て一瞬驚いた様子を見せた。妻を送り届けたのが江...