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650話

四十代の女性が恐ろしい形相で姜陽に向かって唾を吐きかけ、罵った。「売女め、恥知らずの安い女!」

姜陽は大きな恥辱感はなかったものの、少し怖かった。相手に殴られるのではないかという恐怖だけが胸に残った。

幸い、最も激しく反応した女性も唾を吐くだけで済んだ。

姜陽は風呂にも入らず、慌てたようにコートを羽織って女性専用エリアから逃げ出した。

二人は外で合流した。姜陽は怯えきっていて、どうやって鍵を返して出てきたのかさえ覚えていなかった。

タクシーが道の半ばまで走ってようやく、彼女はゆっくりと我に返った。

「曹磊、もうこんな遊びはやめよう。今回警察に連れていかれたら終わりだったわ」今回姜陽...