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603話

「ゆっくりと、そっと、やっと8列目まで歩き着いたとき、彼女は通路の向こう側に座っている中年男性を見つけて、ぎょっとした。慌てて足早に駆け抜けようとすると、胸の双丘が激しく揺れながら、一気に7列目まで辿り着いた。

心臓が高鳴り、今のは危なかった。見られていたら、どうすればいいのか想像もつかない。

まさか自分が一家の母親であり、大企業の女性幹部でありながら、薄暗い映画館で縛られたまま素っ裸でいるなんて夢にも思わなかった。極度の羞恥心が姜陽の体に強烈な感覚をもたらしていた。

曹磊に縛られたまま、深夜の団地を裸で歩かされたときは、何度も泣いてしまったことを思い出す。

今、これだけの人がいる映画...