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599話

江耀は一瞬固まった。絶望に打ちひしがれた蕭雨婷はついに何かを悟ったのだろうか?

そこで少し近づいてみると、すぐに蕭雨婷から漂う心地よい女性の香りが鼻をくすぐった。

「もう少し近くに来て。疲れたの、もう力が入らないわ」蕭雨婷は弱々しく言ったが、その目には一筋の異様な光が走った。

江耀がさらに近づいた瞬間、蕭雨婷は突然彼の首に腕を回し、赤い唇で江耀の口を奪った。

江耀はしばし呆然とした。蕭雨婷の再びの大胆な行動に動揺し、反応する間もなく、相手の器用な舌が口内に侵入し、歯の隙間を開けようとしていた。

江耀は反射的に歯を食いしばり、相手の思惑を阻止しようとしたが、思いがけず姜阳に上唇を噛まれ...