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512話

姜陽は小区の外へ急いで歩くなど到底できず、非常に慎重にゆっくりと前へ進むしかなかった。ベルの音を最小限に抑えながらも、常に周囲に人が現れないか注意を払い続けなければならなかった。

唯一の救いは、小区内には木々や花壇が多く、駐車している車も沢山あることだった。これらを隠れ蓑にすることで、少なくとも姜陽は完全に危険に晒されているわけではないと感じられた。

姜陽のいる建物から小区の門までは約800メートルほどの距離があった。

丸々10分もかけて、姜陽はようやく300メートル進んだところだった。

街灯が銀色の拘束された体を照らし、姜陽の体は汗でびっしょりになっていた。鼻から滲み出た汗が一滴また...