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350話

携帯が一度振動し、江耀はスマホを取り出して確認すると没玉からのメッセージだった。「私たちは南京路のヒルトンホテル2階のレストランフロアにいるわ。あなたたちはどのくらいで到着できる?」

江耀は素早く数回タップして返信した。「ホテルのすぐ近く、30メートルほどのところにいるよ。すぐに着くから」。メッセージを送ってから3分ほど経ったが、普段は気品と情熱を兼ね備えた姜阳がすっかり動揺して、今でもまだ洗面所から出てこない。

江耀はあまり心配していなかった。まだ時間は早いし、姜阳の気持ちを落ち着かせるのに十分な時間がある。

昨夜はいとこの阿琛にもう少しで弄ばれるところだった。江耀は姜阳が同僚がいるか...