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98話

先頭に立っていた二人の妃嬪、一人は艶やかに、もう一人は幽蘭のように気品があり、どちらも滅多にお目にかかれない閨秀淑女だった。上座から見ていた楊皇后は思わず微笑んだ。一人は太后の姪、もう一人は甥の娘で、どちらも稀に見る美人だ。太后はどちらを贔屓するのだろうか?慕賢妃は騒ぎを見るのが好きな性格で、宋合璧を静かに観察しながら優しく尋ねた。「宋貴人のその装いは、さぞかし高価なものでしょうね。生地は賢妃のお召し物と同じく貴重なものですわ」

皇后がこのように褒めるのを聞いて、周りの者たちは珍しいことだと感じた。普段は人を褒めない皇后様が褒めるのだから、きっと光るものがあるのだろう。数十の視線が一斉に宋貴...