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73話

「慕桑は憂鬱そうに初冬の柔らかな陽を眺めていた。眩しくはなく、太陽の光は優しく、慕桑はこの日差しが人の肌に当たると暖かいのだろうなと思った。頬杖をついて、その柔らかな光が少しずつ西に沈んでいくのを見つめる。三合院の大きな窓の外には、西府海棠の枝が曲がりくねって、むき出しになっているが、枯れ果てた様子はなく、退屈しのぎにはなかなか見応えがあった。

万歳爺は美人を愛でる帝王だ。まして二人の間には相手を愛し尽くすほどの情愛もない。今の自分は美しさを失ってしまったのだから、尊厳を持って生きていくには、他のところで心を尽くさねばならない。美しさがあるかどうかは重要ではない、聖宠があればいい、万歳爺に覚...