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46話

吉祥果は他とは違い、花期も実りの時期も長く、夏には花が咲き誇り、秋には赤い実を付ける。俗に春は花を愛で、冬は実を観賞するというが、一年を通して様々な姿を見せるのだ。

喜嬷嬷は傍らで笑いながら慕桑をからかった。「慕嫔様は目が利きますね。太后様のお気に入りを一目で見抜かれましたよ」

「吉祥果は花の咲く期間が長く、実がなる時間も長いから、四季を通して楽しめる上に、長く続くという意味合いもある。哀家はそれが気に入って、文竹にそこへ置かせたのじゃ。まさか置いたばかりで、お前の目に留まるとは思わなんだがな」太后は慕桑が世間知らずであることを笑いながら、良いものをねだられたことに応じた。「まあよい……持...