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330話

むさんは阿円と雪児を連れて「新世界探検」と称して遊んでいた。主に椒房宮の裏手にある小さな花園を隅々まで探索し、出てきたところで満面に笑みを浮かべ、顔を赤らめた劉明忠と出くわした。

「奴才、娘娘にお目にかかります。おめでとうございます、娘娘のご帰宮を心よりお祝い申し上げます。万歳爺のお言葉で、娘娘は平伏する必要はございません」劉明忠はむさんが跪こうとするのを見て、すぐに支えて止めた。心の中で必死に念じる——跪かせるなんてとんでもない。今の万歳爺の溺愛ぶりからすれば、娘娘が跪いて詔を聞くようなことがあれば、この首が飛ぶのは間違いない。「万歳爺の口諭にて:貴妃は国のために祈福に出宮し、今めでたく戻...