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313話

慕延卿は書机に座り、衣冠を整え、奏折を一冊ずつ丁寧に並べていた。この世に思い通りにならぬことは多いもの、何も十全十美を求める必要はない。慕貴妃は上林苑で聖上の加護を祈っているが、なぜそこに留まっているのか。君上の心は海底の針のように測り知れず、せめて皇太后の顔を立てて、一族を根絶やしにはしなかったのだろう。あるいは皇太后の実家として、聖上は彼に選択をさせたのか。

彼は低く詩経を詠んだ。「参差荇菜、左右採之。窈窕淑女、琴瑟友之」まるで美人の心を掴んだ時の得意げさで、黒墨で蘭が描かれた書箱を開け、小さな包みを取り出した。湯気の立つお茶を一杯注ぐと、藍と薄紅で梅が描かれた白磁の茶碗から清らかな香り...