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288話

淑妃侯は宣室殿の外で召しを待っていた。劉公公が中に入ってすぐに出てきて、媚びるような笑みを浮かべながら淑妃に告げた。「娘娘、中へどうぞ。万歳爺がお呼びです」

淑妃は側にいた宮女に合図し、劉公公に銀両を賞与させながら微笑んだ。「お茶代です。どうかお納めください」

劉明忠は袋を受け取ると、目が見えないほど笑いながら何度も頭を下げた。「とんでもございません。奴才は娘娘のご恩に感謝申し上げます」

万嫔の血書を手に握りしめ、熱く高鳴る胸を抑えながら、淑妃は目を伏せ、恭しく遠くから跪拝の礼をした。「妾は万歳爺にお目通り願います。皇上、万福金安にございます」

成帝は奏折に目を通しながら、顔を上げるこ...