椒房の寵

20話

「皆様の御前を通り過ぎる途中、幸いにも敬礼で済んだ。もし叩頭の礼だったら、今日は坤宁宮から出られなかっただろう」と思いながら、早く位が上がらなければ、叩頭で気を失ってしまうと感じた。心の中で誓った——この身分の厳しさ、尊卑の序列、天よりも厳しい規則がある場所で、自由に生きるには上に登るしか道はない。

座を賜り、栄婕妤と姜貴人の間に座った。右側の姜貴人は薄紅色の錦繍の藕糸の緞子の裳を身に纏っていたが、どう見ても彼女と薄紅色は全く似合わず、良い衣装が無駄になっていた。その目には慕桑を引き裂きたいという憎しみが浮かんでいた。

左側の栄婕妤は薄紅色の紫薇の花が刺繍された柔らかい緞子を纏い、薄く紅粉...