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18話

万歳様の吐息が慕桑の首筋に当たり、温かく、くすぐったい。

帝王の心を捉えて離さない物など多くはない。目の前の手の届く距離にある白い肌を見つめながら、彼の瞳の中の笑みはますます情熱的になっていく。この天下はすべて彼のもの、彼が手に入れられないものなどあろうはずがない!ましてや帝王が後宮の妃嫔を寵愛するのは当然のこと。躊躇うことなく、その白い首筋に一つの口づけを落とした。

これは……

慕桑の心が少しずつ沈んでいく。首筋から背中へと冷気が広がっていくのに、顔はますます熱くなる。

次々と口づけが降り注ぎ、その情熱はさらに深まっていく。

慕桑はいつしか筆を握る力を失い、それが滑り落ちて宣紙の上...