椒房の寵

141話

【日本語翻訳】

顧玥は外から歓喜の声を上げながら入ってきた。手には蘇州刺繍の金魚図団扇を振りながら、扇子の柄に付いた朱色の絹の房が揺れている。彼女は声高に言った。

「桑姉さま、何をしているの？」

慕桑は彼女の爽やかな浅い碧色の栀子の花が刺繍された薄絹の長いドレスを見ながらも、額に汗をびっしりとかいているのに気づいた。明らかに暑さに弱いタイプだ。慕桑は少し心配そうに不満を漏らした。

「こんな強い日差しの中、宮中を走り回るなんて。茯苓、あなたもご主人を諫めないの？熱中症になったらどうするつもり？」

茯苓は顧玥の後ろで困ったような表情を浮かべた。ご主人はこのように気まぐれで、宮女の彼女たちには止...