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100話

慕桑は銀紅色の雲錦に流彩の暗紋が入った立襟如意襟の錦衫を纏い、立襟が人を遐想させる点々とした紅梅を隠していた。海棠色に銀の縁取りがある如意紋の挑線裙を合わせ、手先の器用な積翠がすぐに傾髻を結い上げ、鬢に赤金の白玉嵌めの鬢押さえを添え、後ろ髪に赤金の宝石嵌めで真珠をくわえた三翅の斜め鳳凰簪を挿した。

碧妝と緑枝を連れ、啓祥宮へ太后様にご機嫌伺いに向かった。

中に入ると、宋貴人が湘妃色の織錦緞に桃紅色の縁取りがある対襟の襦裙を身に纏い、桃紅色の湖綢綾の披帛を両側に垂らし、髪に斜めに双銜鶏心垂れの小さな銀鳳凰簪を挿して、太后と話をしている姿が目に入った。

慕桑は恭しく太后に挨拶した。「母后様に...