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85話

私が立ち上がるのを見て、藍月も立ち上がり、グラスを手に私を見つめていた。その眼差しには何か複雑なものがあった。

楚兄はそのまま座り、グラスを持ち上げて私に言った。「小江、遠慮するなよ、仲間なんだから座って飲め!」

私は少し躊躇いながらも、立ったままでいた。

「座って飲みなさいよ」藍月が静かに一言。

藍月の言葉を聞いた途端、私はすぐに席に着き、楚兄と藍月とグラスを合わせた。「楚兄さん、ありがとうございます。藍主任、ありがとうございます」

「公の場でなければ、私的には藍姉と呼んでいいわ」と藍月が言った。

藍姉?私は一瞬固まった。なんて馴染みのない呼び方だろう。

「そうだ、藍姉でいいじ...