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652話

珊珊はこくりと頭を縦に振った。「うん、泣いてた……二回も見つけたの……どっちも夜中で、でもママは私を抱きしめなかった。ベッドの頭に寄りかかって、写真を一枚持って、見ながら涙を流してた……見終わったらその写真を枕の下に入れてた……昼間にこっそり見てみたら、それはパパの写真で、涙の跡もついてた……パパ、どうしてママはいつも夜中にこっそりパパの写真見て泣いてるの?どうして昼間パパに会っても泣かないの?不思議だよ……」

私の心は刃物で切られるように痛み、目が潤んだ。珊珊をぎゅっと抱きしめながら、「珊珊、いい子だね。まだ小さいから、大人のことはわからないよ。大きくなったら理解できるようになるから」

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