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621話

「この課長職というのは、もともと馮世良自身が内部の顔役に与えた肩書きにすぎないんだ。昇進させるも取り消すも馮世良の一言で済む話で、何の手続きも必要ない。会議で報告するなんて言ったのは単なる建前だ」

私は馮世良が呉非の課長職解任を通達する際、本当の理由を口にするはずがないことを知っていた。彼は必ず聞こえのいい理由を作って、皆に説明するだろう。

呉非があの課長職に就いたのは私のせいだ。私が問題を起こして副編集長を巻き込み、呉非がその恩恵で課長の肩書きを手に入れた。今回それが取り消されたのも私のせいだ。私が陰で彼を一計に嵌めたからだ。

本来なら呉非に痛打を与え、彼を窮地に追い込みたかったのに、...