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601話

翌日、五兄と英姉は江城を去った。彼らはこの町に長居する勇気もなければ、表に出て顔を見せる勇気もなかった。

出発前、五兄は私の手を握りしめ、唇を噛みながら言った。「六弟、俺たちは行くよ。お前はしっかり暮らして、萍児のことをよろしく頼む。はぁ……」

五兄は深いため息をついた。その声には何か寂寥感が漂っていた。

英姉は藍月の手を取った。「月ちゃん、南方に来ることがあったら、私たちに会いに来てね。体に気をつけて、自分の人生を大切に生きるのよ。何事も前向きに考えて、自分を苦しめないで。はぁ……」

英姉もまた深くため息をつき、その声には何か哀愁が感じられた。

藍月は軽く息を吐き、微笑んだまま何も言わ...